辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座って評判はどうなの?
という悩みを解決します。
辰巳法律研究所は1973年に司法試験の受験指導機関として誕生し約50年の歴史のある老舗予備校です。
「答練の辰已」といわれるほど答練と模試の質が高いと受験生に今なお高い人気があります。
そこで今回は辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座についてまとめていきたいと思います。
- 辰巳法律研究所の予備試験講座の受講を検討している人
- 辰巳法律研究所の予備試験講座の口コミが気になる人
では早速、見ていきましょう。
その他の司法試験予備試験予備校・通信講座の比較はこちら。
辰巳法律研究所の予備試験司法試験講座について
結論、辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座の魅力は模試と答練の良さです。
ただし、基礎講座は初心者には難しいという声もあります。
法学の勉強にある程度なれてきて、答練のみ補強したい場合は辰巳を選択肢にいれるのはかなりアリです。
近年は昔に比べて合格者を他校にとられているという噂はあるものの、未だその教材や出版書籍の良さにも定評があります。
正直辰巳のホームページが見にくい・・。あと講座がいっぱいあって何選べばいいか正直よくわからない。
という人のために、まずは辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座のカリキュラムについて詳しく見ていきましょう。
辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座 カリキュラム
辰巳法律研究所の初心者向けの司法試験予備試験講座には【ハイスペードスキーム】と【スタンダードスキーム】の2つのコースがあります。
全309時間で全科目の基礎を確立する学習カリキュラムが組まれた、司法試験業界の中ではかなりコンパクトなカリキュラムです。
代表講座 | 税込価格 | 対象者 | 合格目標年度 |
---|---|---|---|
原孝至・基礎講座2021年春生予備試験専願 ハイスピードスキーム | 542,600円 | 初学者 | 2022年 |
予備試験/上位LS併願 スタンダードスキーム | 821,500円 | 初学者 | 2023年 |
【スタンダードスキーム】はここにさらに答練を追加した充実のコースになっています。
ゼロから司法試験予備試験を目指すなら【スタンダードスキーム】が合格に必要なすべてを網羅しています。
通常の予備校は予備試験合格は1年で目指すカリキュラムが多いので2年で合格を目指す【スタンダードスキーム】は珍しく、ゆっくり自分のペースで勉強できるのが魅力です。
他にも2年で合格を目指せるのはWセミナーなど。
【ハイスペードスキーム】は1年で合格を目指すパックで、【スタンダードスキーム】よりも早く、つまりインプットと同時並行してアウトプットをいれていくスキームです。
辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座 単発講座
単発講座として有名な「スタンダード論文答練」を紹介します。
講座ではないですが、有名な辰巳の模試です。司法試験模試ももちろんあります。
代表講座 | 税込価格 | 対象者 |
---|---|---|
予備試験 スタンダード論文答練 (ハーフ) | 128,500 円~142,200円 (95,100円) | 学習経験者向け |
予備試験論文公開模試 | 26,600円 | すべて |
さらに辰巳法律研究所が得意とする論文答練のみを重点的に学習できる「スタンダード論文答練」が人気です。
これらはカリキュラムは伊藤塾などの他の予備校に通う受験生も受講する人がもいます。
受講形態 | 通学部会場受験/オンライン同時中継受験/通信部受験 |
講座回数・時間 | ●第2クール フルコース:全21回/全48問 |
科目詳細 | ●予備試験 スタンダード論文答練 第2クール(フルコース) 憲法・行政法(4回)、民法・商法・民訴法(6回)、 刑法・刑訴法(4回)、民事実務・刑事実務(4回)、 一般教養(3回)/全21回 |
教材 | ■問題 ■解説 ■答案シート ■参考答案集 ◎現物を発送いたします。 |
受講料(税込) | ■第2クール(フルコース/週2回受験) 通学部・通信部WEB:¥128,500/通信部DVD:¥142,200 |
講座の種類についておわかりいただけたところで、メリット・デメリットに分けて見ていきましょう。
辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座 メリット
辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座が他の予備校と比べて特に優れている点は下記3つです。
- 模試の受験者数が多い
- 出版書籍の質が高い
- 論文答練の解説が丁寧
ではそれぞれ説明させてください。
メリット① 模試の受験者数が多い
辰巳法律研究所の模試は司法試験の模試受講者の中でナンバーワンだと言われています。
過去15年(2006年~2020年)の実績 辰已模試の実受験者累計はなんと41,438人。
また最大の特徴は司法試験の本試験の同じ曜日、同じ日時で本番さながらの状況で4日間19時間55分体験することができます。
司法試験って体力勝負といわれるくらい長いので、同じ経験を練習しておけるのは大きい。
会場は東京・大阪・名古屋・京都・福岡・仙台・札幌の全国6箇所で受けられますし、WEB受験することも可能です。
実際受けてみないと、どのくらいペンの減りが早いのかや本番にこの本数でいいのかなども検証できますね。
これだけ長い時間ボールペンで書き続けるある試験ってあんまりないので、その辺は私自身も不安要素としてあります。
メリット② 出版書籍の質が高い
司法試験業界で最長級の歴史を持っているだけあり、テキストの質は昔から評判が高いです。
近年だと、テキストの質の高さはアガルートが有名ですが、それを上回る辰巳の良さは一般出版書籍も十分に質が高いということです。
アガルートの受講生が使っているテキストはたしかに詳しい上で薄くて使い勝手もいいですが、辰巳法律研究所には本屋さんで気軽に買えてしまう司法試験対策書籍でも十分に勉強になります。
例えば、辰巳が出版している本自体も司法試験受験生の中でバイブルになっているといわれるほど有名なのが「趣旨・規範ハンドブック」。
論文かくときによく趣旨から考えましょう、などと教えられるので趣旨がまとまっているこの本は評判が高い。
いわゆる論証集です。
実際勉強してみると論証ってめちゃくちゃ多いので、すべてを暗記することは難しいんですよね。そこで趣旨と規範さえ暗記できればある程度自分で試験中に考えて論理を組み立てることができます。
専門書は弁護士ドットコムLIBRARYにもあります。
メリット③ 論文答練の解説が丁寧
最初に書いたとおり辰巳法律研究所の魅力は答練の解説のわかりやすさです。
辰巳のカリキュラム自体がアウトプット重視なので、ある程度の基礎講座のインプットができたら同時並行でアウトプット(つまり自分で書いて答案練習する)を行うようになっています。
インプットの講義が早い、という声はあるもののある意味溺れながら泳ぎの練習をするような授業のスタイルは確実に力をつけてくれると人気。
辰巳法律研究所には原考至先生という看板講師を始め8名の講師が在籍しています。
最近はキャリアの浅い先生も増えていますが、長年の蓄積があるので講義の質は安心ですね。
論文答練は司法試験予備試験の中でも苦手とする人が多いキモになる部分です。
再受験者で論文を苦手としている人は答練だけは辰巳で受けるという人もいるのも納得できます。
辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座 デメリット
次に辰巳法律研究所が足りないなと思う点をあげていきますね。
デメリットはこの3点です。
- 合格実績が不明確
- 経営状況が不安
- 初心者向けには難しい
ではデメリットについて順番に見ていきましょう。
デメリット① 合格実績が不明確
司法試験予備試験は合格率が約4%という超難関資格です。
合格実績をあまり書いていない予備校も多いのですが、辰巳法律研究所もその1つで公式HPには明確な合格実績はありません。
合格者の声の記載はあるので2019年までありましたが、それ以降の更新がないのは気になります。
実績重視ならばやはり合格実績1位と2位の予備校を検討すべきかも。
予備校名 | 2019年 予備試験 合格実績 | 2019年 司法試験 合格実績 | 2020年 予備試験 合格実績 | 2020年 司法試験 合格実績 |
---|---|---|---|---|
辰巳法律研究所 | 非公開 | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
伊藤塾 | 376名合格 | 1,122名 | 360名 | 1,234名 |
アガルート | 非公開 | 523名 | 不明 | 650名 |
資格スクエア | 100名以上 | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
LEC | 非公開 | 過去25年間(1993年~2018年) で総計5,134名 | 非公開 | 非公開 |
スタディング | 非公開 | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
全合格者数 | 最終合格者 476名 | 1,502名 | 最終合格者 442名 | 1,450名 |
昔は合格者の多くが辰巳だったといっている弁護士の先輩もいました。
私の肌感覚では東大の同級生や知り合いはやはり伊藤塾が多いです。
私自身はアラサーなので10年前に司法試験を受けていた世代だとやはり伊藤塾ばかりだった印象ですが、最近はアガルートも着実に実績を伸ばしていますね。
デメリット② 経営状況が気になる
ここはあくまで私の推測でしかないですが、昔に比べると辰巳法律研究所自体が縮小傾向にあると見られます。
予測になってしまう理由は辰巳法律研究所は非上場なのでAnnual Reportなどの開示義務がなく正確な経営状況は把握できないからです。
昔からの辰巳をしる受講生の中では最近経営が危ないのでは?と心配する声も多いです。
予備校の経営状況が悪いとなると少なからず今後最低2年(予備1年司法試験1年で突破できた場合)はお世話になる受験生としてはかなり不安。
そう考える理由は次々と校舎を休校発表していることと、辰巳の一番の得意分野である模試をオンライン予備校のアガルートと資格スクエアに売り込んでいることです。
アガルートの受講生が辰巳の模試を受講するとそれぞれの予備校から特典がもらえる仕組みになっています。
以前は資格スクエアでも同様の仕組みがありましたが、資格スクエアは独自開発した未来問という模試の受験を推奨しているため提携解消したようです。アガルートでも提携解消になりました。(21年11月確認済み)
個人的には勢いのあるオンライン予備校のマーケティング力を期待して売り込んだのかな?と感じました。
あまり自社でマーケティングとPRがうまくいってないのかな?
逆に言えば、PRが苦手(と思われる)なため生徒が減っているが、講義の質に大きな問題があるわけではないとも言えます。
デメリット② 初心者向けには難しい
辰巳によくある口コミとして「基礎講座が難しい」という点です。
他校と比較していみると基礎講義は講義数も276時間とややあっさりです。
予備校名 | 代表講座名 | 総講義時間 | 総合知識 (短答+論文) |
---|---|---|---|
辰巳法律研究所 | 予備試験/上位LS併願 スタンダードスキーム | 不明 | 約276時間 |
アガルート | 予備試験1年合格 カリキュラム | 約631時間 | 約473時間 |
伊藤塾 | 呉・基礎本クラス 1年速修コース | 約819時間 | 約606時間 |
また実際に受講した生徒の中には「解説がさくさく進みすぎて疑問点が結構残る授業だった」という人もいました。
論文答練重視の辰巳の基礎講義はどちらかというと法律を学習したことのある人向けの授業といえます。
辰巳は法学の専門校として長い歴史があり、知識や経験の蓄積は他の予備校よりも多いでしょう。
しかし、詳しいがゆえに法律に詳しくない人には難しく感じるという口コミもあります。
辰巳の良さを十分活かすには答練や書籍を使う方が向いてそう。
辰巳法律研究所の司法試験予備試験講座の評判・口コミは? まとめ
辰巳法律研究所は答練と模試を得意とした予備校です。
特に模試については受験者数がここ数年ずっとナンバーワンの模試であると言われています。
もう一度、メリット・デメリットをまとめておきます。
- 模試の受験者数が多い
- 出版書籍の質が高い
- 論文答練の解説が丁寧
- 合格実績が不明確
- 経営状況が不安
- 初心者向けには難しい
辰巳法律研究所は他の予備校の台頭により、司法試験業界の覇権を他校に譲りつつもいまなお知名度は高い予備校です。
基礎講座自体はアガルートや伊藤塾で受けても、答練の評判は高く答練だけは辰巳でとるという生徒も多いです。
司法試験受験生なら辰巳で模試受験を検討してみるのも手ではないでしょうか?
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