行政書士になるにはどうしたらなれるの?
30歳過ぎても目指せる?
結論、行政書士には学歴・年齢制限はありません。
むしろ行政書士の受験者の年齢層は40代が一番多く、合格率でみると30代受験生が最も合格率が高いことがわかります。
合格者の年齢は15歳~76歳と幅広く、30代、40代はもちろん、セカンドキャリアで60歳以上の挑戦者は実に全体の受験生の半分以上と高齢化が進んでいます。
参考:行政書士試験研究センター
行政書士の魅力を知りたい人
行政書士になれるのか悩んでいる人
法律初心者から、30歳すぎてから弁護士を目指し始めた私が弁護士になるまでのストーリーは司法試験受験記に現在進行系で更新中。
30代から行政書士になるには
行政書士ってなるのそんなに難しいの?
行政書士試験は、司法試験や司法書士と比べると比較的優しく、法律系国家資格の中では登竜門のような資格として例えられることもあります。
でも合格約10~15%(令和2年度は10.7%)の難関資格です。
行政書士試験の主な試験科目は憲法、民法、行政法、商法という条文や判例などの専門用語の知識が問われる法律科目です。 さらに、行政書士試験は司法試験予備試験に比べてもそれより詳しい地位を行政法については問いますし、独特の科目として「一般知識」があります。
そこでまずは行政書士になるにはどうすればよいのか、どんな人がなれるのか、下記のように分解してみていきましょう。
- 行政書士になるには
- 行政書士試験とは
- 行政書士の向き不向き
- 行政書士の仕事
- 行政書士の年収
- 行政書士のキャリアパス
では早速、それぞれの項目について見ていきましょう。
行政書士なるには① 行政書士になるには
行政書士になるには3つのルートがあります。
まずは行政書士試験を突破すること。行政書士試験は受験者資格は特になく、年齢、学歴に関係なく誰でも受験することができます。
2つ目が国家公務員または地方公務員として官庁や役所で行政業務に17年以上実務経験を積むことです。公務員になるにも試験を突破する必要があるため、行政書士になるための目的としてはこのルートはあまり現実的とは言えません。
3つ目はまた行政書士業務に関連する指定国家資格をすでに持っている人は試験を受けなくても行政書士登録することができます。
指定の国家資格っていっても弁護士、会計士などの超難関資格じゃない。
行政書士になりたい人が一番はやく資格をとる方法はやはり「行政書士試験に合格すること」でしょう。
実務経験がなくても試験さえ合格できれば行政書士登録できる。他の法律系資格のように登録までに指定講習を受けなければいけなかったりしないのはかなりハードルが下がるね。
行政書士試験をパスした後は各都道府県を通じて「日本行政書士会連合会」に登録すれば、行政書士として業務をすることができます。
下積みなく士業登録してすぐに開業したりできるのは行政書士ならでは魅力でしょう。
行政書士なるには② 行政書士試験とは
行政書士試験は年1回の筆記試験のみです。
筆記試験は午後の部の13時~16時までで1日で全てが終了します。試験の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」についての46問と「行政書士の業務に関連する一般知識等」の14問です。
出題形式は択一式(1問4点)、多岐選択式(1問8点)、記述式(1問20点)の3つ。その中でも択一式が300点満点中の214点の配点を占めます。
民法・行政法が合格のカギ。
この筆記試験の合否は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」のそれぞれの試験で「総得点基準点」「科目別基準点」の両方の基準点以上を得点することにより合格となります。
つまり、仮に総合得点が合格点を超えていたとしても、科目別で基準点を下回る点数だったら不合格になってしまうのです。
総得点で6割以上、各科目5割以上を目標にしよう!
行政書士なるには③ 行政書士の向き不向き
行政書士に向いている人の特徴は個人的に下記のように感じています。
- 柔軟な人
- マーケティング・営業力のある人
- 人とのコミュニケーションが好きな人
行政書士の業務は多岐にわたり取り扱う書類は1万種類を超えるといわれています。
法律や行政の業種・業界に限られずさまざまな案件を取り扱うので、柔軟にいろいろな知識を吸収し場合によっては能力を使い分けていく力が求められるでしょう。
行政書士は仕事をとるのがなかなか大変と聞いたよ。
行政書士のデメリットとして仕事が継続的に依頼されづらいという点があります。
言ってしまえば他の弁理士や司法書士などの案件はそもそも取り扱う内容的に継続的に同じ人に依頼することが多いですが、行政書士は他の士業に比べてその場限りの案件が多いと言うのが特徴です。
言ってしまえば行政書士事務所自体は士業の中でも多い方ですし、会社側は毎回行政書士事務所を変更してもそんなに困ることがないのです。
そうすると依頼者を増やす、また継続的い仕事を依頼してもらうためにマーケティングや営業を自分で頑張っていく必要があるでしょう。
行政書士業務の中でも自分の強みを売り出してそれをしってもらうためのマーケティング・営業力が大事。
営業スキルにも関わることですが、行政書士は依頼人の相談を聞くことがメインのビジネスなので人とのコミュニケーションが好きな人に向いている仕事と言えます。
依頼人の相談内容をすばやくヒアリングして状況を正確に依頼人の意向を把握することが求められます。その上で法的に処理していくのでまず何よりも重要なのは人とのコミュニケーションです。
また、業務完了後も継続して仕事を依頼される行政書士になるためのコミュニケーションは必須能力になります。
詳しくは別途まとめたいと思います。
行政書士なるには④ 行政書士の仕事
行政書士は、「行政手続き」を専門とする法律家です。
行政の手続きといっても幅広く、人々の日常に関わるものからビジネスに役立つものまで。
行政書士の仕事は独占業務に加えて、他の士業の独占ではない業務も仕事とすることができ多岐に渡ります。
行政書士の業務として最も多いのは書類作成業務でしたが、近年では行政書士業務の中でも何を特化にしているかは人によって違います。
中小企業の経理や法的サポートをメイン業務にする中小企業行政書士。
遺言書の書類作成をメイン取り扱うことを専門にした遺言行政書士。相続に関する相談を受け、相続人の範囲や金額、行うべき手続などをアドバイスをする相続専門行政書士などです。
業務の内容はおおまかに下記です。
暮らしにかかわる業務
・遺言・相続書類の作成
・契約書の作成
・自動車関連
・土地関連
・外国人の日本国籍取得など
ビジネスに役立つ業務
・法人設立手続き
・知的財産権の保護
・中小企業のサポート
行政書士なるには⑤ 行政書士の年収
行政書士の年収について、気になりますよね。
行政書士の年収はの公式の集計はありませんが、「日本行政書士会連合」の調査より推測すると、平均年収は約600万円と言われています。日弁連の同様の調査では弁護士は約800万円程度、司法書士が約700万円、社労士が約500万円だったので、士業の年収としては平均的と言えます。
行政書士は早い人であれば4ヶ月~6ヶ月で合格できる資格なので、それで平均年収600万円はコスパがいいよね。
ゼロから弁護士になるのに少なくとも3年程度かかると考えるかなりコスパのいい職業だと個人的に考えます。
行政書士は雇われとして働く場合は所属している会社の規模や役職により前後するため年収は約200万円~800円といった幅があるでしょう。
一方で、独立・開業は特に行政書士の場合は個人差ができる職業です。うまくやれば1,000万円以上、また2000万以上の年収を稼ぐ人もいます。
また最近はやっているのは副業行政書士です。
本業は別にあり、土日や休みの間に行政書士業務を単発で行い収入を得るケースです。
全く別の業界からキャリアアップとして行政書士資格をとって実務を担当しはじめる場合も、副業行政書士となります。
このスタイルは時間に縛られずに自由に働けるため、女性にも人気が高い職業です。
女性に人気なのは出産などで一時仕事を休んでもまたすぐに戻っても安定して仕事があるからだね。
行政書士なるには⑥ 行政書士のキャリアパス
行政書士登録録後のキャリアは大きくわけて3つ。法律または行政書士事務所に入るか、不動産業界に就職するか、普通の民間企業に就職するかの3つです。
行政書士は司法書士と同様に、資格登録後にすぐ独立・開業することも可能です。自分の腕一本で仕事をとっていくために営業スキルは必須ですが、うまくいけば下積みなしでも個人事業主や起業することができます。
行政業務の経験がない人が最初から開業すると挫折することが多いのも事実なので注意。
行政書士事務所での仕事は多くの人が想像するようなザ・行政書士の仕事である「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務を行います。
業務としては法律事務所ほぼ同じですが別の士業の人と一緒に働く機会が多いというのが一番の特徴です。
また一般の民間企業の法務や総務に就職したり、不動産業界に就職することもあります。
通常は普通の企業は建設関連の営業許可を毎年更新することが義務付けられています。行政書士として何をするかというと、建設関連書類や公共事業の入札書類を作成したりが必要となります。
他の士業や税理士、会計士などのWライセンスを目指して特化型行政書士として独立したり、行政書士としての経験をある程度積んでから開業した方が安定した仕事が見込めます。
行政書士になるには まとめ
行政書士という職業は行政法のスペシャリストであり、人と企業が快適に働けるように権利を守るという非常に重要な役割を担っています。
また現代の社会に起こりがちな遺言、相続のトラブルから中小企業のサポートなどのビジネスの根幹に関わる業務を遂行する能力が身につきます。
社労士試験の合格者の多くは30代、40代。50代以上のセカンドキャリアにも挑戦する人も増えています。
新しいキャリアのステップアップに行政書士試験を目指し、自分自信をレベルアップさせてみてはいかがでしょうか。