社労士になるにはどうしたらなれるの?
30歳過ぎても目指せる?
結論、社労士には学歴・年齢制限はありません。
むしろ社労士の合格者の年齢層は30代、40代がボリューム層で一番多いのです。
合格者の年齢は20歳~84歳と幅広く、30代、40代はもちろん、セカンドキャリアで50歳以上の合格者も増えています。
参考:厚生労働省
社労士の魅力を知りたい人
社労士になれるのか悩んでいる人
法律初心者から、30歳すぎてから弁護士を目指し始めた私が弁護士になるまでのストーリーは司法試験受験記に現在進行系で更新中。
30代から社労士になるには
社労士ってなるのそんなに難しいの?
社労士試験は、合格約3~7%(令和2年度は6.4%)の超難関資格です。
そもそも科目が多く、またそのほとんどが法改正によりコロコロ情報が更新される法律科目です。最新の情報を追いかけながら広大な試験範囲の知識を身に着けるのは簡単ではありません。
社労士になるにはその社労士試験という難関の国家資格試験を突破するしかありません。
そこでまずは社労士になるにはどうすればよいのか、どんな人がなれるのか、下記のように分解してみていきましょう。
- 社労士になるには
- 社労士試験とは
- 社労士の向き不向き
- 社労士の仕事
- 社労士の年収
- 社労士のキャリアパス
では早速、それぞれの項目について見ていきましょう。
社労士なるには① 社労士になるには
社労士になるには2つのルートがあります。
前述したとおり社労士になるには社労士試験を突破するしかありません。社労士試験は年齢に関係なく何歳でも受験することができますが、大卒の学歴がない場合は実務経験か指定の国家資格保持者である必要があります。
実務経験というのは厚生労働省の規定に基づいた労働組合や社労士事務所での経験が通算3年以上必要になります。
また指定国家資格は79以上の社労士試験に関連する国家資格を指します。最も取得しやすいものが行政書士と言われていますが難関国家資格であることには変わりはありません。
行政書士も少なくとも勉強時間が半年以上かかるよね・・。でも行政書士と社労士はWライセンスでもっておいて損はないよね。
社労士と行政書士はそれぞれ違う分野の法律の専門家なので両方保持することで業務の幅が広がることは間違えありません。
短大卒という学歴があればそれだけで受験資格があるよ。大学在学中に受験する場合は必要単位を取得済みである必要があったりとちょっと複雑。
社会保険労務士試験オフィシャルサイトの受験資格をしっかり確認しましょう。
また社労士試験をパスした後もすぐに社労士登録できるわけではありません。
合格後に実務経験を2年以上行うか、指定の事務講習を修了する必要があります。
ただし、実務経験が試験前にある場合はこの期間も通算期間に含めることができます。
社労士の事務指定講習は、4ヵ月間の「通信指導」と4日間の「面接指導」の2過程で「2年間の実務経験」を凝縮した内容になっています。
社労士なるには② 社労士試験とは
社労士試験は年1回の筆記試験のみです。
筆記試験は午前の部と午後の部に分けられていますが、1日で全てが終了します。試験の形式は、午前の部は択一式(70問)、午後の部は選択式(8問)です。
社労士試験には合格基準点がある。
この筆記試験の合否は、選択式、択一式それぞれの試験で「総得点基準点」「科目別基準点」の両方の基準点以上を得点することにより合格となります。
つまり、仮に総合得点が合格点を超えていたとしても、午前の部択一式で基準点を下回る点数だったら不合格になってしまうのです。
総得点で7割以上、各科目6割以上を目標にしよう!
社労士なるには③ 社労士の向き不向き
社労士に向いている人の特徴は個人的に下記のように感じています。
- 几帳面な人
- 精神的に安定している人
- 人とのコミュニケーションが好きな人
まず社労士の主な業務は行政官庁に提出する書類の作成です。そこに不備があっては大変ですから、正確性の高さは求められる能力でしょう。また給料の計算など緻密な作業も求められるため、おおざっぱな人は向いていないと言えますね。
また社労士の大事な仕事に、労働関係のトラブルの解決があります。就業規定に違反してサービス残業をさせたりしている職場を改善させたり、パワハラ上司から社員を守ったりと複数の人の利害が絡み合う中、円満にかつ間違いなく解決しなければいけません。
特定の誰かに肩入れしてしまったり、感情移入しがちな人は判断ミスしやすい難しい仕事よ。
そのような社内のトラブルに関わるため、関係者からすばやくヒアリングして状況を整理する能力が求められます。その上で責任の所在を明確にし、誰にどのような処分を与えるか、今後このような事態が起こらないようにどのように対策するかを交渉していく必要があるのです。
そのため、トラブルに関わる人たちとうまくコミュニケーションをとっていくことは必須能力になります。
詳しくは別途まとめたいと思います。
社労士なるには④ 社労士の仕事
社労士は、「労働法や社会保険」を専門とする法律家です。
厚生年金など類作成代行は社労士しかできない独占業務。
社労士の仕事として最も多いのが、健康保険や雇用保険、厚生年金などの手続き代行の仕事です。
労働基準監督署などの行政官庁などに提出する書類の作成と提出を担当します。
また事業会社の社員の就業規則や労働者名簿、賃金台帳などを管理するのも社労士の役割です。
また人々の生活と密接に関わる労働環境や人事の専門家であり、ブラック企業の労働環境に悩む人々やからの相談に乗ったりするコンサルのような仕事も行います。
業務の内容はおおまかに下記です。
1号業務
・労働・社会保険に関する書類作成、提出代行
2号業務
・就業規則や雇用契約書の作成
3号業務
・労働や年金についての相談、指導
社労士なるには⑤ 社労士の年収
社労士の年収について、気になりますよね。
社労士の年収は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」から集計した結果では、平均年収は約500万円です。同じく日弁連の同様の調査では弁護士は約800万円程度、司法書士が約700万円だったので、他の士業と比べると少なく感じますね。
一方で、独立・開業した社労士はうまくやれば1,000万円以上の年収を稼ぐ人もいますが、逆に独立当初は民間に勤めていた時よりも年収が落ち込むケースもあります。
社労士はものすごく高給取りなわけではありませんが、安定して需要がありまた残業も少ないホワイトな職場が多いのがいいところです。
また男女間の差も、ほとんど認められないため実は女性にも人気が高い職業です。
女性に人気なのは出産などで一時仕事を休んでもまたすぐに戻っても安定して仕事があるからだね。
社労士なるには⑥ 社労士のキャリアパス
社労士登録録後のキャリアは大きくわけて3つ。社労士事務所、法律事務所、普通の民間企業に就職するかの3つです。
社労士事務所での仕事は多くの人が想像するようなザ・社労士の仕事である人事や労務管理の相談や指導を行います。ただ、社労士事務所の求人は実はあまり多くないため最初のキャリアを法律事務所に選ぶ人もいます。
この場合も、弁護士事務所や司法書士事務所などで労災や年金、賃金形態などの指導を行います。業務としては社労士事務所ほぼ同じですが別の士業の人と一緒に働く機会が多いというのが一番の特徴です。
また一般の民間企業の人事や総務に就職し社員の社会保険の相談に乗ったり就業規則を作ったりすることもできます。この場合は社労士としての求人募集がされているかどうか確認した方がいいですね。
これらいづれのキャリアを社労士としての最初の転職に選んでも、その中で出世を目指す人、独立して開業する人とさまざま。
他の士業に比べると社労士としてすぐに独立するケースは多くなく、行政書士や公認会計士のWライセンスを目指して独立したり、社労士としての経験をある程度積んでから開業した方が安定した仕事が見込めます。
社労士になるには まとめ
社労士という職業は労務と社会保険のスペシャリストであり、人と企業が快適に働けるように権利を守るという非常に重要な役割を担っています。
また現代の社会に起こりがちな労働環境や年金、給料などのトラブルを解決する能力が身につきます。
社労士資格は「労務と社会保険」を取り扱う職業柄ある程度別の実務経験のある人に向いている仕事でしょう。
社労士試験の合格者の多くは30代、40代。80代でも合格できます。
新しいキャリアのステップアップに社労士試験を目指し、自分自信をレベルアップさせてみてはいかがでしょうか。